一般的に我々が耳にする「マッサージ」という言葉。しかし、日本では「按摩・マッサージ」という表現もよく見かけるでしょう。この2つの表現の違いについて疑問を抱いたことはありませんか?今回は、それぞれの起源と違いについて解説します。
まず始めに、按摩とマッサージの歴史を見てみましょう。
【按摩の歴史】
マッサージや按摩のルーツは、先人たちが負傷した部位を手で撫でたり、さすったりして痛みを和らげる効果を発見したことに起因しています。世界最古とされる中国の医学書「皇帝内径」には、いくつか「按摩」の文字が記されています。また、中国の隋の時代には按摩が独立した専門科として認識され、明の時代以降は「推拿(すいな)」とも称されるようになりました。
日本では、養老令(757年施行)において、典薬寮に按摩博士、按摩師、按摩生が設けられました。江戸時代には按摩が本格的に普及し、体系化されました。世界大戦後にGHQが「按摩・鍼灸は非科学的であり、不潔だ」として禁止する動きがありましたが、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師に関する法律が制定され、現代に至っています。つまり、按摩は中国から伝わり、日本でさまざまな進化を遂げたものと言えます。
【マッサージの歴史】
古代ギリシャ時代にはマッサージの技術の習得が奨励されており、16世紀後半にはフランスで医療手法として広く普及しました。18世紀以降、スウェーデンのパーヘンリック・リングがスウェーデンマッサージの基礎を築き、これがヨーロッパ全土に広がりました。そして、現代ではマッサージは医療術の一つとして認識されています。
【按摩とマッサージの違い】
按摩とマッサージは一見同じに見えますが、実は明確に区別されています。按摩とは、衣服の上から心臓に近い部分から遠い部分へと施術を行います。一方、マッサージとは、肌に直接触れ、心臓から遠い部分から心臓に近い部分へと施術を行います。現在、東洋医学と西洋医学の良さを組み合わせた統合治療が注目を集めています。
【タイ古式マッサージ】
タイ古式マッサージは基本的に足から施術を行うため、施術方法としてはマッサージに分類されます。タイでは伝統医療の一部として扱われています。
以上、按摩とマッサージの起源と違いについて紹介しました。両者の理解を深めることで、より効果的なマッサージ・按摩を選ぶことができるでしょう。